Blockstack ユーザーに個人情報の主権を取り戻すWeb3.0にのっとったDapps開発プラットフォーム

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Blockstack ユーザーに個人情報の主権を取り戻すWeb3.0にのっとったDapps開発プラットフォーム

更新日 2019/11/21

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目次
  1. 1. web3.0時代のDapps開発プラットフォーム
  2. 2. 開発者を支援する仕組み
  3. 3. Stacksトークン(STX)のトークンモデル
  4. 4. SEC認可のトークンセールを実施、史上初の証券扱いのトークンに 

web3.0時代のDapps開発プラットフォーム

Blockstack の概要

Blockstackは、ユーザーが自身のデータを保有するというweb3.0の思想にのっとったDapps開発者向けのプラットフォームです。
Bitcoinのセカンドレイヤーとして2014年にスタートしましたが、その後スタックスブロックチェーンという独自チェーンに移行しています。

アプリ開発者は、Blockstackを使うことで、データ管理やブロックチェーン部分を意識せずにDappsの実装ができます。
具体的に、開発者向けに提供しているものは以下の4つです。
・基盤となるスタックスブロックチェーン
・データを分散させるためのストレージシステムGaia
・データを安全に扱うためのBlockstack認証
・開発者向けのライブラリとSDK 

ユーザーは、秘密鍵によって自身のデータを保持します。
ユーザー向けには、専用ブラウザが提供されていてログインしてデータを呼び出します。
DApps側では、ユーザーの許可なくデータを読み書きすることはできません。

2019年9月現在、Blockstackを使って構築されたDappsは200以上あります。現在、Ethereum上のDappsは2500程度です。

スタックスブロックチェーン

スタックスブロックチェーン

Blockstackネットワークの基盤となるレイヤーです。以下の特徴があります。

1、Proof of Burnによるマイナー選出

コンセンサスアルゴリズムはProof of WorkとProof of Burnを組み合わせたものになっています。これをTunable Proofs(調整可能なマイニング)と呼んでいます。
メインのマイニングはProof of Workですが、マイナーを選出するプロセスに特徴があります。マイナーになるためには、トークンをバーンする必要があります。多くのトークンをバーンすることでマイナーに選ばれる確率が高くなります。ホワイトペーパー内ではマイナーのことをリーダーと表記しています。

ハッシュレートが下がりProof of Workのセキュリティ監視が弱まっても、Proof of Burnによるマイナー選出によってセキュリティを保つ仕組みとなっています。
ただ、ホワイトペーパーには、スタックスブロックチェーンのハッシュパワーが十分であればProof of Burnが使われる機会は少なくなる想定であると書かれています。

2、独自言語クラリティ(Clarity)

クラリティ(Clarity)という独自のスマートコントラクト言語を採用しています。
わざわざ独自の言語を使用するのは、Dapps開発者の利便性を考えてのことです。

主に2つの目的があります。
・実行時間の短縮
・コンパイルを不要にするため

開発者のコードをコンパイルせずにブロックチェーンに直接デプロイします。これは、コンパイラのバグなど依存することなく、開発者の意図を尊重するためです。
クラリティはチューリング完全ではありません。トランザクションの全履歴を取得すれば、⾔語はチューリング完了の状態になります。

分散ストレージシステムGaia

ストレージGaiaの仕組み

ブロックチェーン上で大量のデータは保持できません。
Gaiaは、Microsoft Azure, Amazon S3, Google Drive, Dropboxなどのクラウドストレージ上に構築されています。

実際のデータは暗号化され、Microsoft Azure, Amazon S3などのストレージに保存されています。
スタックスブロックチェーンには、データの保存場所のみ記録されます。
データを参照するには、ユーザーが保持する秘密鍵が必要です。
Microsoft、Amazon、Googleなどのストレージプロバイダは、暗号化されているためデータに触れることはできません。

ユーザーがBlockstack認証プロトコルを使⽤してアプリケーションやサービスにログインすると、 その保存場所をアプリケーションに渡します。

ユーザーが秘密鍵を使って認証すると、Gaiaハブという機構を通してデータの書き込みができます。Gaiaハブを通さずにデータの書き込みはできません。

開発者を支援する仕組み

プラットフォームとして成功するためには、まずDapps開発者を集める必要があります。
開発者を集めるために、以下の工夫をしています。

開発者向けのライブラリとSDK

Blockstackはアプリ開発をしやすい環境を作っています。
SDKを使えば、複雑なブロックチェーン部分を意識せずにアプリを作ることができます。
また、チュートリアルやAPIドキュメントもかなり親切で充実しています。
Dapps開発者の利便性を追求しようという姿勢がみられます。

App mining Blockstack開発者報酬の仕組み

App Miningという優れたアプリの開発者へ報酬を与える仕組みがあります。
登録されたアプリは、公正に選ばれたレビュアーによって毎月ランク付けされます。
毎月合計10万ドル相当のStacksトークンがランキング上位のアプリから順に配当されていきます。

Stacksトークン(STX)のトークンモデル

Stacksトークン

Stacksトークンは、EthereumのGasに近いトークンモデルで、ユーティリティトークンと言えます。

トークンの主な使用用途は以下の4つです。
1.デジタルアセットの登録
2. スマートコントラクトの実⾏
3. トランザクション⼿数料
4. アプリのスケーラビリティの開放

Stacksトークンには、発行上限が定められていません。
トークンの発行ルールについてはまだ検討中のようです。
バーンされる量を見ながら調整するとしています。

2018年10月のジェネシスブロックは、13億2,000 STX発行されました。
その後、最初の5年間は毎年2600万 STX、次の5年間は毎年2100 STX、その後は毎年1500 STX発行される予定です。
2050年には約20億 STXが流通すると予測しているようです。

SEC認可のトークンセールを実施、史上初の証券扱いのトークンに 

運営会社  Blockstack PBCについて

運営会社は、Blockstack PBCです。public benefit corporationの略で、株式会社ではなく公益法人の形を取っています。
会社の設立は、2013年にアメリカのプリンストンで設立され、現在はニューヨークを拠点にしています。

2014年にNamecoinというBitcoinから派生したものからスタートしています。その後何度かピボットを重ね、4年以上の研究開発を経ています。
創業者のMuneeb Ali氏は、プリンストン大学での分散システム研究後、Y Combinatorで勤めています。その後プリンストン大学で研究者として分散コンピューティングの基礎に関する論文を発表しました。
2019年9月現在の社員数は現在46名となっています。

Blockstack 過去二回のトークンによる資金調達 Binance上場

Blockstackは、これまで何度も資金調達をしてきました。
2017年1月に、シリーズAでUnion Square VenturesやCompoundなどから4000万ドル(約4億円)を調達しました。

トークンセールを2回行っています。
1回目は、2017年7月にCoinList上でICOを実施し、Union Square Ventures、Y Combinator、Blockchain Capitalなどから5000万ドル(約5億円)を調達しました。
このICOではSAFTという法規制を遵守した規格にのっとり、適格投資家のみに販売しました。

2回目は、2019年7月に米国証券取引委員会(SEC)から認可を受けたトークンセールを行い、2800万ドル(約30億円)を調達しました。
このとき、米国証券法のRegulation A+という規制に則って適格投資家以外にも提供されており、アメリカの法律上はStacksトークンは証券として扱われることになります。

また、直後の2019年08月にリクルート子会社が投資したと発表しています。

2019年10月、Binanceに上場するという発表がありました。
しかし、アメリカ向けに提供されているBinance.USではStacksトークンを売買することができません。
アメリカ人のトークン購入者はまだロックアップされてる状態になります。

将来的には取引可能になることが予想されるので、法律上の解釈など今後の動向が注目されます。


以下参考URL
・Blockstack Browserの概要
https://docs.blockstack.org/browser/browser-introduction.html
・github
https://github.com/blockstack
・日本語ホワイトペーパー
https://blockstack.org/whitepaper-jp.pdf
・Proof of Burn コンセンサスアルゴリズムについて
https://github.com/blockstack/blockstack-core/blob/develop/sip/sip-001-burn-election.md
・ストレージシステムGaiaについて
https://docs.blockstack.org/storage/overview.html
・App Miningについて
https://app.co/mining
・トークンの発行スケジュールについて
https://stackstoken.com/faq/
・トークン発行についての議論
https://forum.blockstack.org/t/improved-mining-algorithm-minting-schedule/8284
・トークンセールについて
https://medium.com/coinlist/blockstack-closes-token-sale-with-a-coinlist-record-4-500-purchasers-7cda8046da3a
https://stackstoken.com/static/offering-circular-20190711.pdf


以下開発者向けドキュメント類です。

・アプリのサンプルを立ち上げるチュートリアル
https://docs.blockstack.org/browser/hello-blockstack.html
・WebアプリケーションにBlockstack認証を追加するチュートリアルです。Ruby on Rails のgem(ライブラリ)もあります。
https://docs.blockstack.org/develop/auth_provider.html
・ノードと通信するためのAPI
https://core.blockstack.org

・Androidアプリ向けSDK
https://docs.blockstack.org/android/tutorial.html