Orchid概要  匿名通信によって2兆円のVPN市場をリプレイス

ユーティリティトークン Orchid

Orchid概要  匿名通信によって2兆円のVPN市場をリプレイス

更新日 2019/12/26

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目次
  1. 1. Orchidの概要
  2. 2. VPN市場の課題
  3. 3. Orchidの仕組み
  4. 4. Orchid Tokenについて
  5. 5. Orchid Labs Inc.と資金調達について
  6. 6. Orchidの開発状況

Orchidの概要

orchid概要

Orchidは、検閲の無い自由なインターネット接続環境を実現するためのプロジェクトで、2017年に始まりました。
世界のインターネットユーザーの2/3は政府の検閲の中インターネットを使用しているという調査もあります。

現在のインターネット接続環境は、プロバイダーやVPNを利用した場合はアクセス履歴が第三者へ渡される危険性があります。
Torという匿名通信システムがありますが、ネットワークを維持するノードが減少しているために匿名性を守れない状況が発生しています。
 Orchidは、インターネットのオーバーレイネットワークである「Orchid Market」という仕組みによって、誰からも検閲されない自由なインターネット接続を可能にします。

VPN市場の課題

現在、VPNを利用するには、運営会社を信頼する必要があります。
しかし、今のVPNサービスではセキュリティとプライバシーに問題があります。

VPN事業者は、各国の政府当局からのアクセス履歴照会に応じたり、ファイアーウォールによってブロックされたりすることが多く、自由なインターネット接続を求めるユーザーを満足させることができません。

 無料VPNサービスの上位の約60%は中国に拠点を置いています。中国政府はVPNを厳しく統制しており、ユーザーは個人データを監視・把握されている可能性が高いです。
無料VPNのビジネスモデルは、ユーザーの個人データを収集し、販売して収益をあげています。接続時刻、IPアドレス、訪問したサイト、ユーザー情報などの情報は監視・追跡されています

VPN市場の大きさ

VPN市場の大きさ

2019年は全世界での市場規模が236億米ドル(約2兆6000億円)であり、2022年には357億米ドル(約3兆9000億円)になると予想されています。テクノロジーが発達するに伴い通信量は拡大し続けており、比例してプライバシーと検閲に対する懸念が高まっているため、VPN市場は成長しています。
VPN市場の成長に乗ることができ、ユーザーが増えることによってノード数が担保できれば、トークンの価値も高まっていくモデルだと言えます。

Orchidの仕組み

Orchid Market

Orchid Protocolの基盤はOrchid Marketにあります。
Orchid Marketは、ユーザー同士で帯域幅の売買をするための分散型P2Pネットワークです。帯域幅とは、通信に使われる周波数の範囲のことです。

orchid marketの仕組み

(出典 whitepaper p7)

VPNを介してウェブサイトにアクセスした場合、接続先のウェブサイトが接続元のIPアドレス等を把握することは不可能になりますが、VPNのサービス運営者は把握可能です。

Orchid Marketを介してウェブサイトにアクセスした場合は、接続先のウェブサイトはOrchid Marketのネットワークの出口となるプロキシーノードのIPアドレスしか把握できません。また、Orchidの分散型P2Pシステムには中央管理者が存在しないため、VPNのようにサービス運営者によって把握される問題も生じません。

上記の右の図のように、Orchid Marketでは、いくつかのリレーノード(Relay node)をランダムに経由し、最終的にプロキシーノード(Proxy node)からアクセス先のサイトへ到達します。

リレーノードとは、ネットワークを転送する中間参加者のことで、
プロキシーノードは、要求されたウェブサイトに接続する参加者のことです。

リレーノードとプロキシノードの提供者はユーザーからOrchid Tokenを受け取ります。
これをBandwidth Mining(帯域幅マイニング)と呼びます。

セキュリティ面については、ホワイトペーパーの半分以上を割いて、いかに攻撃を防ぐかについて論じられています。
Orchidはプライバシー保護のため、以下の情報を守るように設計されています。
・実社会のアイデンティティ情報
・Ethereumアドレス
・Orchid上のノードの情報 (ユーザー・リレーノード・プロキシーノードのIPアドレス)

また、コンセンサスアルゴリズムはProof of Workを採用しています。Proof of Workによって、メダリオン(Medallion)と呼ばれるトークンが得られます。
オーキッドマーケットに参加するためには、メダリオンを所有している必要があります。

この仕組みは、ユーティリティトークンの中のワークトークンと同じトークンモデルと言えます。

今後は、Proof of Spaceというパソコンなどのメモリーやディスクスペースを供出させる仕組みへ移行していく予定です。

Orchid Tokenについて

Orchid Token(OXT)の発行上限枚数は10億枚です。トークンの持分割合は、以下のようになります。

Orchid Token(OCT) 配分割合

・SAFTよる投資家への販売:35%
・従業員・アドバイザーへ配布:12%
・創業者達の取り分:18%
・ネットワーク参加者への報酬や将来的なセール実施の際に販売:35%

Orchid Labs Inc.と資金調達について

Orchid Labs Inc.は、2017年に設立され、アメリカ・カリフォルニア州のサンフランシスコとドイツのベルリンにオフィスがあります。
2019年9月現在の従業員は26名です。

CEOのSteven Waterhouseは、ケンブリッジ大学で音声認識と機械学習の領域を専攻し博士号を取得しています。2013年から2016年7月まで、投資ファンド運営企業Pantera Capitalのパートナーをしており、ブロックチェーン投資に注力していました。また、2016年までは、ルクセンブルクに拠点を置く仮想通貨交換所Bitstampの役員も兼務していました。

その他、Ethereumのコア開発者や共同創業者もチームに参加しており、開発とビジネスの両面で業界経験が豊富なメンバーが在籍しているチームだと言えます。

資金調達について

Orchid Labs Inc.は、シード期にSAFTに準拠した形式で450万ドル(約5億円)の資金調達に成功しています。
シードラウンドでは、以下のVCから調達しました。
・Sequoia Capital
・Andreessen Horowitz
・DFJ
・PolyChain Capital
・Metastable
・Blockchain Capital
・Crunchfund
・Struck Capital

その後、SAFTによる以下の2種類の条件で、合計2億OXT(全体の20%)が投資家へ販売されました。

 SAFT Aは、1OXT=0.5ドルで販売されました。50%はネットワークローンチ後から12か月間ロックアップされ、残りの50%はローンチ後から13か月~18か月の間ロックアップされます。

SAFT Bは、1OXT=0.7ドルで販売され、ネットワークローンチ後12か月間ロックアップされます。
2019年5月で調達した資金の合計は、4800万ドル(約50億円)に達しています。

得られた資金は、ネットワークの運営・成長、ソフトウェアの開発・アウトリーチ活動のために使用される予定です。

Orchidの開発状況

Redditなどのコミュニティが最も盛り上がっていたのは2018年頃です。
現在開発はされているものの、プロダクトはまだリリースされていません。ホワイトペーパーではその多くが技術的な仕様について割かれています。
Github
上での開発者は6人と少ないものの、2019年10月現在の直近でも更新されていて、開発されている様子は伺えます。
ここ最近では話題にのぼらなくなりましたが、2019年10月に大阪で行われたDevconでも協賛に名前が乗っていました。
活動の様子を見る限り、進行はしていると言えそうです。

参考URL

Why We Need a Better VPN   VPN市場の概観について
https://medium.com/orchid-labs/why-we-need-a-better-vpn-aebe8c352984

whitepaper
https://www.orchid.com/assets/whitepaper/whitepaper.pdf


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