Harbor 概要

セキュリティトークン Harbor

Harbor 概要

更新日 2019/08/07

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目次
  1. 1. 概要
  2. 2. 背景〜私募証券市場の大きさと課題
  3. 3. R-Token Standardの仕組み
  4. 4. Harbor.inc と資金調達について
  5. 5. まとめ

概要

Harbor 概要

Harborは、私募証券をトークン化することを目的としたプロジェクトです。

各国の証券法や州によって異なる複雑な法律をスマートコントラクトに組み込むことによって、取引できるようにしています。
最初は対象を不動産にしぼって展開しています。

私募証券とは、募集対象を適格機関投資家や少人数(アメリカの場合500人)のみにしぼり、米証券取引委員会(SEC)や金融庁への届け出が免除された証券のことです。

背景〜私募証券市場の大きさと課題

私募証券市場

アメリカの私募証券市場は、成長市場で数兆ドルといわれています。
私募証券は、一般の証券と比べて発行が容易な代わりに、流通しにくいという欠点があります。

原因となる問題が2つあります。

1.法規制が複雑

私募証券を二次取引するためには、証券規制、金融市場規制、税法などの複雑なコンプライアンス要件を満たす必要があります。
アメリカでは、証券法、証券取引法、投資顧問業法、投資会社法などに準拠する必要があります。
また、州などの管轄によって適用する法律も異なり、発行者と投資家全員が遵守しなければなりません。
これらプロセスは非常に非効率で、時間とコストがかかります。

2.非流動性ディスカウント

上記の法令遵守にかかる時間とコストは、私募証券の流動性を低くします。
そのため、二次取引では非流動性ディスカウントを加味して価格決定します。
非流動性ディスカウントとは、流動性の低さや換金するためのコストを理由に評価額を割り引くことをいいます。

Harbor は、コンプライアンス問題を解決することにより、非流動性ディスカウントを解消しようとしています。
非流動性割引が20〜30%であることを考えると、数十億ドルのマーケットがうみだす可能性があります。

R-Token Standardの仕組み

R-Token Standard

R-Token Standard (Regulated Token Standard) は、Harborのメインプロジェクトで、どんな取引でも法令遵守できるようにするためのセキュリティートークンです。
以下の、3種類のスマートコントラクトで構成されています。

R-Token (RegulatedToken)

R-Tokenは、証券の所有権をスマートコントラクト上に記録したもので、ERC-20上に実装されたトークンです。

Regulator Service

Regulator Serviceは、コンプライアンス要件が定義されていて、取引可能かをチェックするスマートコントラクトです。

具体的なコンプライアンス要件としては、
・投資参加者のホワイトリスト
・投資家の居住国、適格投資家などのステータス
・証券規制
・KYC、AMLの要件
・税法
などが含まれています。

R-Tokenについて

R-Tokenは、取引の際にRegulator Serviceをチェックしにいき、コンプライアンス要件を満たしているか確認します。
Regulator Serviceは、成功か失敗かのステータスを返します。

Service Registry

R-Token Standardについて

Service Registryは、R-TokenがどのRegulatorServiceを参照するかを示す機構です。
例えば、規制の変更などがあったときに新しいRegulatorServiceが作成されます。
Service Registryが、Regulator Service address(参照場所)をR-Tokenへ渡すことで、どのRegulatorServiceが正しいバージョンか識別できます。

R-Tokenは、The Ocean(0x(ZRX)をプロコトルとして用いた取引所DEX)などの認可された取引所でのみ証券取引を行えます。
R-Token Standardは、ERC-20と互換性があります。そのため、R-Token Standardを使うことですべてのERC-20トークンがコンプライアンス準拠した暗号証券になりえます。

Harbor.inc と資金調達について

Harborの資金調達

Harbor.incは、2017年に設立され、社員数は26人程度の会社です(2019年7月現在)。ボードメンバーを見ると、エンジニア、マーケッター、リーガル、コンプライアンス担当などバランス良いチームです。
これまで3回エクイティの調達を行い、合計4000万ドル(約43億円)を調達しています。

1回目は、2017年11月にシードラウンドでCraft Venturesから1000万ドル(約10億円)を調達しました。
2回目は、2018年2月にシリーズAでa16z 、Pantera Capital 、Founders Fundなどから1000万ドル(約10億円)を調達しました。
3回目は、1confirmationから2800万ドル(約30億円)を調達しました。

まとめ

・法律を遵守するコストを下げるためのセキュリティートークン

・私募証券の数十億市場を生み出すポテンシャル

・株式で4000万ドル(約43億円)調達